メリーポピンズを観てきました。
メリーポピンズの映画とは印象がだいぶ違いました。映画では子供とメリーポピンズのストーリがメインだけど、映画は周りの大人もメインメンバーです。
メリーポピンズの魔法や不思議な体験のワクワク感に加え、メリーポピンズを通して気づかされる周りの大人の悩みや本音、そして変わっていく姿に涙。
お父さんはルールと規律を重視する、頑固者。いつもイライラしていて、子供との時間をほとんどありません。
家のことを取り仕切るのは妻の役目で、子供の世話はシッターの役目。
妻には上流階級の妻としての社交を求めます。
家父長制香ばしい、お父さん。
それは虐待では?というような躾をシッターさんから受けて育ち、両親とは1週間に1度しか会えないやうな子供時代。愛情が不足して育ちました。だから冒頭の妻がキスしようとした時も「何するんだ!」ってびっくりしてたんですね。
そして、男のプライドが邪魔して言いたいことも言えない。
だけどお父さんは精一杯やってるんです。精一杯だけど家族と歯車が合わなくて綻びが出てきます。
「お父さんが大変な時には誰がお父さんを支えるの?」
「子供が親を支えるなんであべこべじゃないか。」
「時にはあべこべになるものなのよ。」
大人だけど頑張っても、周りと歯車が噛み合わなくなるときもあるし、プライドが邪魔して素直になれない時もあれば、誰かに支えてほしい時もあります。
バンクス家のお父さんの悩みは私の悩みの一部でもあり、子供たちが差し出してくれた6ペンスの優しさに涙しました。
お母さんは、妻の役割を演じきれない葛藤があります。
夫は上流階級として付き合いを持て、慈善活動をしなさい、というけどそれにも疑問を持っています。
でも女だからできない、と自分にストッパーをかけています。
「メリーポピンズはやろうと思えば道はあると言った。」
「メリーポピンズあなた本気でにそう思ってるの?」
からの「なんだってできる。」のナンバー。
最後に舞台に戻ったら?という夫のアドバイスにも「私はやりたいことがあるの!」と言います。からが映画での婦人運動なのかな?
子供たちが屋根に登って言った
「ごとも部屋での悩みも高いとこから見たら小さな悩みに見える。」
は大人の私にも響くセリフでした。
自分の悩みも俯瞰してみれば、案外小さい悩みだったことに気づくこともありますよね。
おもちゃが大きくなるシーンや、メリーポピンズが自分の代わりのシッターを追い出すシーンには不気味さがあり、言葉のお店?や公園のシーンなどはファンタジー感が強くて緩急が良かったです。
そしてそして、最後のメリーポピンズが飛び立つシーンにびっくり。
煙突掃除夫の男たちのダンス、ステップインも素晴らしかったし、銅像(名前忘れてしまった)のダンスも素晴らしかった。と思ったらバレエ出身のダンサーなんですね、通りで指先やポーズが伸びやかで綺麗なわけだ。
ほんとにほんとに素晴らしい舞台体験でした。